顎関節症について
2025/02/23
顎関節症について
顎関節症の原因は?症状はなに?
1 顎関節症とは
顎関節に何らかの症状が現れる状態の総称で、主に以下の4つの状態が含まれます。
・ 咀嚼筋痛障害(そしゃくきんつうしょうがい):あごを動かす筋肉に痛みが生じた状態
・ 顎関節痛障害:顎関節に痛みが生じた状態
・ 顎関節円板障害:顎関節の中の関節円板(顎関節の骨と骨の間にある組織)がずれた状態
・ 変形性顎関節症:顎関節を構成する骨が変形した状態
このような状態になる原因は様々で、歯のかみ合わせの異常、精神的緊張やストレスによる顎関節への負担、歯ぎしり、食いしばり、頬杖やうつぶせ寝、噛み癖など、
日常生活の癖などがありますが、これらの内、1つだけが原因になっている訳ではなく、発症には複数の原因が絡みあっていると考えられております。
2 顎関節症の症状
顎関節症には、主に以下の3つの症状があります。
・ あごの痛み(顎関節痛、咀嚼筋痛(そしゃくきんつう)
・ 口が開かない(開口障害)
・ あごを動かしたときの音(顎関節雑音)
症状は、主に食べ物を嚙む時や、口を動かす時などによくみられます。また、顎が外れてしまうこともあります。
どの症状が現れるかは人によって異なり、これらの内、少なくとも1つ以上の症状がみられる場合に顎関節症が疑われます。
ただし、これらの症状は、煩わしさはあるものの、命に関わったり、日常生活を大きく損ねたりするようなものではありません。
また、これらの代表的な症状のほかにも頭痛、首、肩、背中などの全身の痛み、めまい、耳鳴り、目の疲れ、鼻づまり、噛み合わせの不調、歯の痛み、飲み込みにく
さなど、全身の様々な症状を引き起こすこともあります。
3 歯科医による治療
⑴ 薬物療法
消炎鎮痛を目的として非ステロイド性抗炎症薬を投与します。
⑵ 理学療法
咀嚼筋(そしゃくきん)のマッサージやホットパックなどを用いて温めます。
その他、筋に電気を流して除痛を図ることや、低出力レーザーも効果が期待できます。
筋伸展訓練(ストレッチング)は咀嚼筋(そしゃくきん)を伸展させ、開口を促すことで筋痛や開口制限の緩解を目指します。
⑶ アプライアンス療法
スプリントと呼ばれるマウスピースのようなものを顎に入れて噛み合わせを調整し、顎関節が正しい位置に戻るようにします。その後、必要に応じて入れ歯や歯の
かぶせ物を装着して、良い噛み合わせを保つこともあります。
⑷ セルフケア
痛みがある場合は、まず安静を心掛け、口を大きく開けたり、顎を使い過ぎたりしないようにする必要があります。そのほかに、以下の点を心掛けることで症状が
改善することがあります。
・ 硬いものは避け、おかゆ、軟らかい麺類など、噛まなくてよい食事を摂る
・ 顔の筋肉をほぐし、上下の歯が接触しないようにする
・ 大きなあくびや長時間の歯科治療など、口を大きく開ける動作は避ける
・ うつぶせ寝はしない
・ 長時間の同じ姿勢を避ける、猫背や顎を突き出すような姿勢を改善する
・ 首を引っ張ったり、頬杖をついたりしないようにする
4 医院から
当院では、歯科治療のところで説明しました、咀嚼筋(そしゃくきん)のマッサージについて、「ガムマッサージ」を行っておりますので、是非、ご利用ください。
その他、ご心配なこと等がございましたら、お気軽にご相談ください。